先述の「555」(桜庭一樹)と一緒に借りてきました。
内容は…うーん、まあ響鬼の最初のころが好きだったら振り返り程度に読んでみたらいいんじゃないかなあという感じ。
私個人としては退屈でした。本編とほぼ内容が同じな上に、ほとんど明日夢視点で展開されるので…
※私は響鬼は高寺版・白倉版共に好きです。

噂は聞いていたのでコレのことを思い出したのですが、他にも仮面ライダー、戦隊系で出ている小説があれば教えてください!
(講談社キャラクター文庫以外で)

<続く>
表紙がまずラノベ―――!という衝撃を軽く覚えながら本を開くと、各章のタイトルなどに本編の題字や響鬼の音撃鼓の画像などが挿入されており、響鬼感を醸し出しています。
時々イラストが挟まってますが、まあソノラマ文庫だししょうがねえかな…と久々に絵の入った小説を読むという不思議な感じを味わいました。

内容は先述の通り、テレビ版を少々詳しく描写したという内容なのですが、ほとんど明日夢の描写に割いています。
本編でも明日夢は最初のころどっちつかずであいまいな決断力のない子供、という印象が強かったのですが、小説だとそれがますます補強されていて、即断即決、悩むのは進路じゃなくて人の生き死にだったりするヒーローに慣れきっている私には物足りませんでした。
さわやか3組は仮面ライダーでやるもんじゃねえよと。
ジュブナイルといえば聞こえはいいのですが、基本的に進路のことでただ流されながら悩んで、やっと決めたはいいが周りのやる気についていけずにふらふらしてる主人公はちょっと応援しづらかったかな…
小説が描いてるのが一年の始まりなのでこういう展開は仕方ないんですが、もっと端折って高校に受かってからもやってほしかった…
発刊時期にもよるのでしょうが、個人的には5話で明日夢が弟子になるバージョンを読みたかったなぁ…

響鬼さんについての描写は本編通り、といった感じ。
というか全体的に本編をただ文章に起こしただけだからあまり追加情報がなく、そのうえ映像よりも情報量が少ないという事態に陥っており、退屈さを感じたという次第です。
これならもう一回本編を見直した方が…とつい思ってしまう。

フォローしておくと、小説の出来自体は結構良くて戦闘描写も結構頑張っています。
各キャラクターの情報も満足いくレベルで折りこめられていて、響鬼を知らない人にとっては最初に触れる作品としての及第点だと思いました。
響鬼を知らないで読むほうが面白い、そういう小説ですね。


―――以下駄文―――

ただ、久々に明日夢の行動を読んで「ああ、鎧武の主人公たちに感じる苛立ちってこういうのに似てるなあ」とふと気づきました。
どっちつかずで自ら何をするでもない、その割に周囲の頑張りには敵愾心を覚え、アドバイスを無視し、自分以外を小ばかにするような風情すら持つ、そういう感じ。
明日夢はそんなに悪い子じゃないのですが、優柔不断な癖に割りとクズい面もあったりするので結構視聴当時にイラついていた記憶があり、「まったくこのガキは」と何度かガチで思っていました。
まあそれは中学生と高校生という多感な時期の中二病まっただ中な年齢だから許されるのであり、それをヒビキたち大人が手本を見せて矯正する、という意味合いがあったので全体的には許せたんですけどね…
鎧武の登場人物は、この当時の明日夢をさらにこじらせた感じでヒビキさんがいない状態なんだなあと思うと、なんだか少し可哀想になってきます。
厳密には違うのかもしれませんが、こういう一言でいうと「世界は俺中心!」みたいな我儘な時期を経て、「あのころ俺はバカだった」と反省するのが大人の階段を上る第一歩なんじゃないかなと。
でもそれができそうにない環境というのもあるもので、やはり環境というのは大事なんだなとしみじみ感じた次第です。

取り留めも無くなりましたが、このへんで。
半分ぐらい愚痴ですねぇ。まったく私の意固地にも困ったものです。