東條という難しい人間像が完成される第46話。
あわせて、優衣の秘密を知った真司の悲壮な決意が物語を加速させていく…
このあたりになると、もうなんて言っていいのかわかりませんが、ともかく長い一年の終わりを迎える瞬間をただ静かに待とうというような、そんな気持ちです。
なんか感想もふわんふわんしてますが、観てるこっちも同勘定をまとめていいのかわかんないのよ、この辺になると。

<続く>
第45話「20歳の誕生日」
第46話「タイガは英雄」

・優衣の秘密
真司はインペラーの死を知り、やはり戦って相手を倒すことに悩み続ける。
その姿はこれまでの真司そのものの姿だった。
浅倉を救い、インペラーを救い…彼はいつも誰かを救おうとして、そして救えないままだった。
しかし、優衣が20歳の誕生日に消えてしまうという事実を知ったとき、真司はひとつの決断をする―――

ここでの蓮と真司の対比は素晴らしかった。
戦いに目的のある蓮と、目的のないまま戦ってきた真司。
その二人の大きな違いは「覚悟」それだけ。
蓮はたとえこの戦いが無意味だったとしても、優衣を救うためになるならば良しとしている。その覚悟は折れることがない。
蓮は自分が傷つくことはいとわず、ただ戦うだけ。
一方の真司の描写で素晴らしいと思うのが、真司からは保身のために戦いたくないという意識が全く感じられないことかな。
真司は、相手を傷つけることを恐れて、誰かを救うために誰かを犠牲にすることを良しとしないという姿勢だけど、それってある意味では保身のようなもの。
でも、それが保身に感じないのは真司の人柄なんだと思う。
真司はただただ、正解のない答えに悩んで、迷って、立ち止まってしまって…
オーディンが優衣を助けたシーンで「誰かを救うということは、極論ああいうことだ」と言われて自分なりの結論にたどり着くわけだけど、構成が上手いなぁと感心した。
確かに、誰もが傷つかないことが一番いい。
でも、誰かが傷つかなければ誰も救えない。
そうなったとき、真司は多分自ら傷つきに行くんだろうなぁっていう、そういう自己犠牲の精神があまりにも切ない。
このあたりの答えの出ない感じ、観ていて胸が締め付けられます。
どうすればいいか答えなんて出せないのに、それを無理やりに出さなきゃいけないプレッシャー、いかばかりだろう。
そんな真司をある意味では見守っている蓮のまなざしもまた痛々しい。
あくまで真司自身に結論を託した蓮だけど、心の底では真司に戦うという結論をしてほしくなかったのかも…
戦いの場に現れた真司に驚いていた姿からも、その辺が少し読み取れます。

・タイガと浅倉
インペラーを殺したことで強くなったというタイガの心を、戦わずして折る浅倉△!!
そして北岡との戦いで「英雄は英雄を目指した時点でアウト」という言葉を喰らい、東條は己の在り方を悩み迷う。
東條はこのあたりから自分を失って、香川教授に教えを乞うような姿勢を見せるんだよな。
それはまさに精神的な支柱がポッキリ折れてしまったことを意味している。
「英雄」という、彼の中での曖昧模糊とした偶像が、砂のように崩れ去っていってしまったんだろう。
英雄の在り方を失った東條は、自分が英雄だと信じた香川教授にすがる…しかし、その教授はすでに自分が手にかけているという皮肉。
結局、東條は自分が進むべき道を自分で閉ざしてしまった。
その結果、何もかもをリセットしたいと思って火をつける…というのは何とも胸に来るものがあるストーリーだったよ。
東條の口調(~かも)っていうところからは、自分を中心に据えられない客観的な思考が見え隠れしてるんだよな。
成長しても、自分自身が何者かを見出せず、主張すべき己がいないから客観的に自分を伝えてしまう。
香川教授は彼のそういうところを見て、フォローすべく頑張っていたのになぁ…
皮肉すぎる…彼の死にしてもそうだが。

・ガソリンでドカン
ダイナミックすぎるwwwwwwww
そういえば、最初のころあった設定で「入った鏡からしか出れない」というのがあった(途中で消えたが)ので、こういう方法もダメではあるが有効なんだよね。
あの設定は途中からまるでなかったことのようにされてたけど、一応生きていたのだろうか…
しかし、この状態から生き延びた浅倉って、もはや人間じゃないよなw
流石浅倉さん、パネーッす!!

・真司の決意
「優衣ちゃんを助けたい。お前の言う通り迷っていても誰一人救えないなら、きっと戦った方がいい。戦いの、辛さとか、重さとか、そんなの自分が背負えばいい事なんだ。自分の手を汚さず誰かを守ろうなんて…甘いんだ。」
これが多分、一年間戦い続けて見つけ出すしかなかった答え。
戦いはきれいごとでは終わらない。四方八方丸く収まるなんて、そんな容易なものじゃない。
命とは、常に誰かを犠牲にして成り立つものなのだと。
そういうものが全部このセリフに詰まってる。
このセリフを言った真司の気持ちを考えると、もう何とも言えなくなるよな…

・タイガは英雄
憧れであった香川の幻影を追い、最後の最後に見ず知らずの親子の命を助けたことで「英雄」となった東條。
彼のバックボーンは詳細に語られなかったが、誰かに愛されたいのに愛されないで育ったという様子が見て取れた。
そのおのれを空虚にする原因である愛情への渇望を満たすため、彼は英雄の道を選んだが…というざっくりとした設定が、いやがおうにも彼の半生への想像を掻き立てる。
最後の最後、彼は救われたのか?
香川教授に「次は、誰を…」といった彼の言葉は「救えばいいのですか?」と続くのか、「倒せばいいのですか?」と続くのか。
彼が親子を救ったのは、香川に対する憧憬がそうさせただけなのか。
それとも、彼はあの瞬間に香川が伝えたかったことを理解したのか。
願わくば、東條の欠けた心が死の間際に満たされたことを祈ってやまない。


この辺になってくると、精神的にこっちも追いつめられててマトモな感想が出てこないw
今更小ネタなんて拾っても仕方ないしな。
あと3話…最終回を知っているからこそ、もう何も言えなくなる。
最後まで、心して観たいと思います。