刻々と迫るタイムリミット、迫りくる最期の時…
嵐の前の静けさに、真司の悲痛な叫びが木霊する…

一回視聴してるから感想が出てこない、ではなく、一回視聴してるからこそ感想が「出せない」というのが正しい。
そのぐらい、龍騎は私の中で衝撃的な作品だったんだよ。

<続く>
・決めた覚悟、振り下ろせない刃
優衣のために戦うことを決意した真司。
蓮を倒そうとするも、やはり「ライダーは倒せない自分」を確認しただけだった。
無理に明るくふるまって、何も考えないで相手を倒そうとする真司の姿は見ていて痛々しかった。
北岡先生が「見てらんないよ」というのも頷ける…
ずっと戦いをやめさせようと戦ってきたのに、誰も戦ってくれないというのはつらいよな。
誰かが無理やりにでも襲ってきてくれれば、真司は何も考えないで相手を倒せるかもしれない。
たとえそのあとにどんな後悔がやってきたとしても、それを真司は受け止めて、優衣のためだと納得するだろう。
戦わないことで気だけは急いて己の無力をかみしめる、その時間が悔しいんだろうと思う。
でも真司が仮に誰かを殺したとしたら、多分真司は後悔のあまり死ぬだろうな。物理的じゃなければ精神的に。
真司は誰かの踏み台にはなれるが、誰かを踏み台にはできない男だ。
一年間、最初から最後までそうだった真司。
「ライダーにアイツがいたのは、良かったのか悪かったのか…」とつぶやく北岡からは、真司という人間の影響力が見て取れる。
誰もが打算に心を折り、誰かを犠牲にすることを是とする中で、真司は決してあきらめない。
誰かの犠牲を良しとせず、自分が傷ついても誰もが幸せになる方法を探している。
その「誰も」に真司は入っていないが、彼はそれでいいと思う。
その心の強さは、13人のライダーの中で一番だったんじゃないだろうか?
ある意味、一番完成された心の持ち主だったのかな、真司は…

・脱落、そして
島田さんの伏線が活きたw
そしてラストに来て北岡が令子に思いを寄せていたことが活かされるという…
先生はある意味一番純粋な願いだよね。
「ただ生きたい」と願うことは悪いことじゃない。
努力して今の地位を獲得したからこそ、余計にそう思うのかな。
しかし死を前にして、北岡先生が精神的に弱くなってる姿を見るのは悲しいなぁ。
皮肉屋で自信満々じゃないと先生じゃないぜ!!
でも「この場に来ないと脱落」とは言ってたけど、デッキを取り上げない(無効化しない)士郎は優しいのか?
単純に12人の命が必要だから、3人を倒した後自分がゾルダを潰しに行く気だったのかもしれんが。

・怖すぎる撮影
優衣ちゃんの飛び降りシーンの恐ろしさッパネェェェェェ!!
でも一番怖いのは「優衣ちゃん!」って言って柵を飛び越えた真司の行動だよ!勢いづいて落ちたらどーする!!ハラハラしたわw

・根源は親
事故死して不在の親がすべての元凶なんだね。
神崎邸で軟禁され虐待を受けていた二人。その二人が空想で生みだした世界。
それが多くの人を傷つけているという事実からすると、親が子に与えた悪意が巡り巡って様々なところへ影響を及ぼしていることになる。
鎧武では「意味のない悪意」という単語があったけど、実際にはこれがそうなのかもな。
縁者でも、関係者でもない、赤の他人に向けられるただの恨み。
ジャパニーズホラーでいう「リング」の貞子のような、意味もなくまき散らされる悪意。
そういうものが、本来親から無条件に得られる「愛情」の真反対の存在として「在る」という感じがする。
ミラーワールドはゆがんだ両親の情が生み出した、幼子たちの傷ついた心そのものなのかもしれない。
愛情を受け、素直に育ち、何もかもが幸せな世界に想いをはせる、そんな子供の想いが作り出した無邪気な悪意。
それこそがミラーワールドなのかな…というようなことを思いながら見ていました。
虐待なんてする親の気が知れねぇ!

・生きていた浅倉
北岡の脱落を是としない浅倉。
思えば、なんだかんだと、真司、蓮、北岡、浅倉の4人の因縁はこの一年間で思いっきり深まってた。
その因縁にはマイナスな印象もあれば、プラスの印象もあり、一概に好きと嫌いで判断できない複雑な心境。
居なければ困る、居れば困る…そういうジレンマの中で作り上げられてきた関係に、浅倉自身も多少の戸惑いを見せていたのかもしれない。
がらんとした事務所に立つ浅倉がイラつくのは、単純に戦えないからだけじゃない。
北岡も、蓮も、自分の望みをかなえたいと思う一方で、真司の想いに理解を示すようなそぶりを見せてしまう。
そういう関係性が作れる、だから龍騎は凄いと思うんです。

・神崎士郎が正義に振り切れたら
天道総司なんだなっていうことにふと気づく(今更)
シスコンも突き詰めれば悪に振り切るか、善に振り切るか。
天道も神崎も妹を守るため、総てに立ち向かうことを決めた。
要素だけ抽出すると、天道と神崎は実に似通ったところが多い。
そういう意味では、ある種神崎が望んだ世界を勝ち得たという意味で、龍騎の神崎に対するアンサーストーリーがカブトになるんだろうか。妹も救えたし。
まあシスコン大勝利だよ!!っていう、ただそれが言いたいだけかもしれんがw


この後の最終回までの緊張感はたまらない。
ここにきて予告で北岡死ぬ死ぬ詐欺→死んでないコンボで気をゆるませるとあとで泣きを見るんだよなw
最後までもう少し。
ある意味私の青春時代を築いた作品でもあり、思い入れ深い作品なので、じっくり見たいと思います。