『まさかのヒロイン、まさかのキス』(フォーゼの帯)
これどう考えてもウィザードの帯にすべきだったろwww

この小説をもって、仮面ライダーウィザードこと操間晴人の物語は完結する。
晴人という、家族を、自分を失った青年が、戦いを経て自分を、そして家族を得るまでの物語というのがウィザードだったんだなぁ…
他の作品では為しえなかった部分(※)にチャレンジしているという意味で、非常に意義深い物語だったと思います。

読書中は複雑な心境もありましたが、最後の最後に己を勝ち得た晴人の姿に感動した!!
ありがとうウィザード。そして末永くお幸せに!!

※ざっくりな感想ですが、基本ネタバレご注意。

<続く>



<ストーリー>
「希望」の指輪を自身のアンダーワールドに置いた晴人。
彼はまだファントムの残党や笛木の残した遺物を追って戦っていた。
そんな時、魔法使いが次々に襲われる。その犯人は何と晴人だった。
身に覚えのない晴人。しかし、彼の前に現れたのはもう一人の晴人だった。
「もう一人のお前」と名乗る男は、漆黒のウィザードとなりそれまで晴人自身が抑えていた欲望や葛藤を実現させるため行動する。
自分の本心をまざまざと見せつけられ、傷つく晴人。
晴人は再び希望となることが出来るのか?コヨミ、そして凜子の想いを受け、晴人はどんな結末を選ぶのか?
晴人が晴人自身の人生をつかむための戦いが、今始まる。


・総評
賛否両論ありそうなストーリーでしたが、ウィザードの完結編としては完ぺきでした。
テレビシリーズから映画まですべてを見た後の物語…これは読むべきでもあるし、読まないべき物語でもあるかもしれない。
コヨミヒロイン派は読んだらショックを受けることは確実だと思う。
余韻のある最後がいい人は読まない方がいいかもしれないし、晴人がどうなったかを知りたい人は読んだ方がいいかもしれない。
でも、傷つくことばかりだった晴人が幸せになれる物語でホッとしました。
テレビシリーズと映画、小説で、ここまで地続きに晴人という魔法使いの男の人生を完結させたっていうのは結構すごいことだなぁ。
今思えば、山本さん(轟鬼さん)が家庭を持っている魔法使いというのも、この最後のための布石だったのかもしれない。
色々衝撃的な内容ではありましたが、私は満足でした。
最後は晴人自身が希望を見つけて生きられる最後で安心した!!
よし!10yearsafterが楽しみだ!!←


・視聴者(主に私)勘違いポイント
○ヒロインはコヨミ→× ヒロインは凜子ちゃん→〇
晴人にとってコヨミはサバトを乗り越えた運命共同体であり、家族(妹)に近かった。
本作のヒロインは全然予想してなかった凜子ちゃんでした。マジか!
なおコヨミ自体は晴人のことを大切に感じていた模様(晴人自身はもちろんだが)
凜子ちゃんのポジションが(コヨミがいたとき)頼れる仲間→守るべき存在→コヨミを失った晴人にとっての希望にっていう流れはまぁ分かるけどもw
「そうなの?!」と読みながら結構衝撃だったよ!!
予想外過ぎました…まーでも妥当っちゃ妥当な位置に落ち着いたな!
この役目をできるのは、確かに凛子ちゃんしかいなかったと思うしね。

○仮面ライダーウィザードは晴人が家族を勝ち得るまでの物語である
ヒロインがコヨミだと思ってたから、失意の晴人はずっと独り身だと思っていたよ…
本人はそのつもりだったと思うけど、それがまさかまさかのw
個人的にはやっぱりコヨミちゃんがヒロインな印象があって、どうも凜子ヒロイン化は微妙に思いながら読み進めていたけど、読むにつれて「ああ、これでいいんだな」って思うようになった。
ウィザードって、要は「ライダー版めぞん一刻」みたいな。
前妻(コヨミ)が、失意の晴人を託せる後妻(凜子)に託して幸せを願うっていう物語なんだな。
晴人がずっと誰かの希望であろうとしたからこそ、その姿を間近で見ていたからこそ、幸せを勝ち取ることに助力を惜しまなかった。それがコヨミの立ち位置。
報われないようだけど、コヨミは確かに幸せだったし、多分こうすることで新たな生を受けることになるんだろうな。

・みんなの扱い
ちょw瞬平www雑wwwww扱いが酷い…w
でも結構ミラクル起こしてた感あるよな。
輪島のおっちゃんとのコンビもなかなかみたいで安心。手に職だしね。
一方、仁藤さんはいいポジションだった。相変わらず一番おいしいところで頼りになるやつだw
しかし続編等々では活躍できない運命にあるような…どうしても晴人の物語になるから仕方ないね。
真由ちゃんや譲、山本さんも登場したのは嬉しかった。
木崎さんは相変わらずのツンデレだったし、いい上司だったな。
私もあんなツンデレ上司が欲しい。

・他作品では為し得なかったこと(※)について
普通の人間とは違う存在=晴人が受け入れられ、安らぐ場所を得たことかな。
他作品でもそれは多々あったけど、最終的には仲間を得ても旅立ったり、理解者とは袂を分かたざるを得ない状況だったりと切ない状況が多かった。
この物語は最後に晴人が人生を全うするであろう場所を、比較的明確に描いたっていうのが珍しいと思う。
(今まで一切なかったわけじゃなくて、あくまで私の知ってる範囲内でこんなふうに描いて終わった作品が珍しいという意味合いで)

ラストを見るに、きっと晴人は自分の家族を持てるんだろうな。
そして多分、晴人に子供が生まれたら「コヨミ」って名づけられるんじゃないかなぁ。
晴人を想い、命を託すことで生きたコヨミと、コヨミを想い、失うことで新しい人生を得た晴人。
二人は男女としては結ばれなかったけど、もっと違う部分で確実に結ばれていた。
晴人の戦いは、自分の居場所を得るための戦いだった。そして、コヨミの本当の場所をつかみ取るための戦いでもあった。
ウィザードの戦いは、これでやっと終わったんじゃないかな。


テレビシリーズを一年追いかけて、晴人の苦しみや自分の無さがずっと気になってて、映画の最後でも結局一人で抱え込んで生きていく彼の人生は辛いなと思っていました。
ライダーになった人の人生ってなんとなく孤独に終わってしまう印象があって、ある意味それを求めている雰囲気も正直あったので、今回の話は衝撃的な側面もありました。
でも、この作品で晴人が晴人自身の人生を歩んでいけると明示されたことは、視聴者としてはちょっぴり切なくあるけど、祝福すべきことなんだなと思います。
ヒーローはいつまでもヒーローだけど、人としての幸せをつかみ取る権利もある。
人によっては人としての幸せを失わざるを得ない場合もあるけど、もし手に入るのなら、人としての幸せを手に入れて生きていってほしい。
ヒーローというものに孤独を求めがちな私にとって、この最後は別の答えを提示してくれたんだ。
そんな風に思うことができた最後でした。


操間晴人という男の人生を追いかけてきた一年、いや足かけ二年。
これがホントのホントのホントのフィナーレ。
これから先の彼らの人生に、幸多からんことを…!

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