素晴らしいの一言に尽きる作品でした。
35周年のスーパー戦隊の歴史を再び輝かせた、愛にあふれた作品でしたね。

様々な戦隊を知ることができた今、きちんと見ることができてよかったと思います。
放送当時に見ていたら、多分こんなには感動しなかったでしょうねえ…
自分自身の作品との出会いを再確認することもでき、それぞれの作品をより愛し、そして知らない作品はきちんと知りたいと思うことができました。

レジェンドだけではなく、ゴーカイジャーたちの物語もまた、レジェンドに負けず劣らず輝いていたことが本当にすごいと思います。
改めて素晴らしい周年記念作でした。観てよかった!

<続く>

・全体的に
完璧ともいえるペース配分に、パーフェクトなゲスト配置、無駄のない販促と、悪いところを上げようがないぐらい完成されてる作品でした。
シンケンジャーの時も同じことを思ってた気がしますが、それよりさらにパワーアップしたというか。
とりあえず言えるのは、ゴーカイジャーの物語でもあり34戦隊の物語でもあるという特殊な構造の物語を、無駄なく余すところなく描いていたということでしょうか。
取捨選択がともかく上手いなと感じました。
感情的な側面はもちろん、構造的にも計算された作りで、何の疑問も抱かず物語にどっぷりつかることが出来ました。
この完璧さや感動を説明するって凄い無粋だと思うんですが、説明しないとどこにどう感動したか言えないのが難しいw
ともかく良かった!なんか既にアホっぽいけど、それしか言えねぇ!

・残念だったところ
なぜゲキレンジャー回はOPが流れなかったのか。
唯一残念といえばそこだ。
ジャンのマスターっぷりが良かっただけに惜しい…と後のレジェンド回を見ながら思ってました。
実際、なんでだったんでしょうね?

・海賊の汚名と誇り
ゴーカイジャーが確固たるコンセプトを持っていると感じるのは、タイトルコールナレーションの「海賊の汚名を誇りとして名乗る豪快な奴ら」っていう部分。
某漫画でイメージが変わってるのかもしれないけど、普通は海賊=悪ですよね。
それを冠にした以上、「なぜその単語を使ったのか」っていう理由がいる。
その理由を端的に表したのがこのナレなんですよね。
「海賊」とザンギャックに呼ばれることは、それすなわちザンギャックに敵対するものであるという自覚。
ザンギャックと敵対するために人から海賊と後ろ指を指されようとその立場を辞さない。
その強い決意がこの一言で表現されていると思います。
若き海賊たちのスタンスを冒頭から一言で表すことができるということは、ゆるぎない作品のコンセプトを持っているということでもあり、練り込まれた設定を感じさせます。
もう一つのナレも期待感をあおる内容で好きなんですが、こちらの台詞は放送当時から感心していた一言だったので、再度耳にするにあたって感心しきりでした。
やはり名作というのは冒頭から違う…!と思わせる一言ですね。

・OPのガレオン
OPで決して変わらなかったワンカット。それが最後の方の空をゆくガレオンのカット。
様々なロボのギミックが登場する中、決して削られなかったガレオンのカットは、ゴーカイジャーが海賊であることや彼らの世界観をしっかり印象付けていたと思います。
どの作品にも変わらないカットというのはあるんですが、印象深いワンカットだなぁと思っていました。

・カテゴリ:海賊
「海賊」という利点とマイナスイメージとのギャップのフル活用が素晴らしい。
海賊のイメージである「強引」「強奪」「はぐれ者」といったマイナスイメージを「海賊戦隊」と銘打つことで視聴者に与え、作中でキャラクターの持つ非海賊的側面をピックアップする。
そのおかげで「乱暴だけど心は熱い正義漢」というキャラクターをわかりやすく表現できてるんですよね。
いわゆるゲインロス効果を非常にうまく利用したキャラクター作りだと思います。
そして仲間意識の表現はセオリーを踏み外していません。いわゆるマイルドヤンキー的な内向きの仲間表現ではなく、今まで戦隊ヒーローが培ってきた仲間意識の表現ができている。
だからアウトローな海賊だけど、正義のヒーローとしての基本がきちんと表現できているので好感を覚えました。
アウトローなツンデレって人気のあるカテゴリだと思いますが、ゴーカイはそのカテゴリが3人(マベ・ジョー・ルカ)がいて、そんな3人に拒否反応を起こしがちな層をソフトにつなぎとめる2人(ハカセ・アイム)がいるという、メンバー内でも役割分担が上手に出来ているところも良かったです。

・情熱の結晶
ゲストの比重と本編の比重の上手さは群を抜いていました。
ゴーカイのキモはレジェンドの登場ですが、そこはしっかり押さえつつ、レジェンドの描写にのみ時間を割かない。必ずレジェンドとメインメンバーを絡め、レジェンドが背負っている歴史をうまいことゴーカイに乗っけることができている。
培ってきた歴史の上にゴーカイの物語を展開するという二層構造の展開は、相乗効果で物語を面白くしていました。
これができるのは、やはり歴代戦隊への深い造詣と愛が故でしょうか。
メインライターの荒川さんはもちろん、サブの香村さんの仕事ぶりが光っていましたね。
もちろんそのスケジュールや構成を担当した宇都宮Pにメインの竹本監督、その他スタッフの努力総てが、作品をよくするために注がれていた結果だと思います。
ただの「お祭り企画」に終わらないクオリティの高さの背景には、役者やスタッフ、それぞれの情熱が必要なのだと感じました。
だいたい好意的に「やりすぎwww」って思う作品は、スタッフのノリが半端じゃない気がしますw

・武器交換
これも面白い!と感心した部分でした。
ゴーカイチェンジで他作品の武器を使う以上、さらに個人武器を作ってしまえば出番がなくなることは明白なので、それを避けるために武器を統一し、交換することで特徴をつけるというアイデアが凄いです。
各人が得意な武器を2つ持つというのも販促的に魅力がありますよね。
ドンさん再現wには絶対銃が二つ必要なわけですし、武器交換することで普通1つしか買わない武器を二つ買ってもいいという余地ができるというのは目からうろこでした。
実際に銃×2、剣×2がなりきり最上位の購入方法というのは凄い。
かといってガレオンバスター登場後も活躍する武器だし、買って後悔がないという。
アイデアと見せ方ひとつでおもちゃの売り上げが変わるというのが実際にピンと来たのは、これが初めてかもしれません。
今までの販促はセットか単品売りが主体でしたが、一つの武器を2本買ってもらえる可能性を作る、というのは斬新でした。
(宇都宮Pはウィザードでも同様にコピー魔法で二刀流の剣演出をやってたりしますが、この系譜ですかね。
スタッフの話になりますが、宇都宮Pは全体的に戦隊型の作品の方が向いてるんじゃないかなーって思いました。戦闘メンバーが多い作品の方がキャラを上手く動かせてる。
私は嫌いじゃないですが、ウィザードが中だるみとか地味って言われる要素を打開するには、もっと戦えるキャラクターが必要だったのかも…と思ったり。
次回ライダーをやるとしたら、それこそ龍騎みたいな作品の方が上手くいきそうな気が。)

・アクションとか
気合入りすぎィ!!!としか言いようがないw
全体的に気合の入ったアクションの数々で、殺陣はあまりわからない私でも難易度の高い部分にははっとさせられました。
ドンさんがとりあえず凄い。無駄に高クオリティな腰が引けたアクションの数々は、笑いながら凄みを感じます。
ちょっと本気出しすぎじゃないですかねェ…アレは確かに「反則」だわw(東映公式参照)
各々個性が強いキャラということもあり、スーアクさんも個性を引き出すことに腐心していたように思います。
直近だとニンニンもアクションは結構好きだったんですが、ニンニンよりも個性を大事にしている感じかな?
ニンニンは全体的に個性よりも忍者っぽいアクロバティックな動きを重視、って感じでしたが、ゴーカイは全員が自由に海賊っぽさを追求してるというか。
パッと見チームワーク皆無なのに、いざ協力すると上手くいってるっていう部分が良く表れていたアクションだったのではないかと思います。
各個人にすぐイメージできる動作があるというのもポイントでした。
アクション監督の違いとか作品の違いがあると思いますが、特徴があって面白かったです。
なりきりもやりやすくていいですよね。

・現実と救い
ゴーカイは基本的に詰め込んでいるのに必要最小限の説明があるから、流れが掴みやすい作りになっているとおもうのですが、特にシド先輩絡みのジョーの話が良かったですね。
シド先輩漢前過ぎる…流石アド(ry)さんなだけはある。
ご都合主義でシド先輩が元に戻るという、安易な救いを与えなかったことは凄くよかったです。
それでいて、きちんと救いを残しているという部分も素晴らしい。
ゴーカイジャーはシビアな部分もたくさんありましたが、それらにきちんと救いを与えて終わらせているところが良かったです。
様々な過去が定期的にゴーカイジャーを苦しめるけど、そこに立ち向かうのは自分自身の強い心。その強い心の源は仲間たち、というのが常に描写されていて、総てのエピソードが無駄なく昇華されていました。
特にそれが顕著だったのがシド先輩絡みではないかと思います。

・光る悪役
バスコは前回の感想でも書いたように、機能性に富んだ「悪役」として、最高のキャラクターでした。
ザンギャックがフォローできない部分(=大いなる力関係)を引き受け、ザンギャックとの微妙な距離感を保ちつつ、大いなる力への最後の導き手としての役目も果たす。
マーベラスにとって越えなければならない壁であり、過去を想起させる鍵でもある。
何とも多様な役割を担っていたキャラクターでしたが、一切の予断もなく最期まで悪役だったバスコの生き様は、見ごたえのあるものでした。
今放送したとしたら、バスコの過去篇のスピンオフとか小説が出そうなぐらいw
可愛げもなく純粋に悪役っていうキャラクターがいると、やはり場が引き締まりますね。
普段おちゃらけているからこそ怖さが引き立っていました。
最後、「マベちゃん」呼びが「マーベラス」呼びになるあたりも激熱でした。
細貝君のメイクがどんどん濃くなっていくのはちょっと面白かったですがw

・ザンギャックの表現
別記事のコメントで詳しく書いたのですが、ザンギャックの組織構造はかなり考えられていて、お約束を抑えつつも無理なくラストまでつなげられているなぁと感じました。
「負けるはずのない戦いに負け続ける」というインサーン(だったかな?)の進言がすべてを物語っていました。
地球侵略は一度スーパー戦隊によって阻まれていますが、その力が失われた今、一度侵略できなかった星を再度侵略することは容易、というのが一般的な考え方ではないかとおもいます。
なので、アクドスは次期皇帝として目をかけている息子・ワルズに地球侵略を指示するわけです。
「一度侵略を阻まれた難易度の高い星を、ワルズが陥落させた」という偉業を成し遂げることで、腹心の部下にすら頼りないと思われているワルズの株を上げるためですね。
宇宙でいうと辺境の星である地球に、宇宙全体を敵に回しているザンギャックが割ける戦力は知れている、ということで、毎回送られてくる行動隊長は少数。
しかし、通常であれば問題なく制圧できたところにゴーカイジャーが現れた。
ワルズは地球制圧とは別に、ゴーカイジャー打倒にも労力を割くことになります。
でもその状態で本国に泣きつこうものなら、ワルズの次期皇帝の地位は危うくなる。
本国は行動隊長を送り続けるも、次々倒され、本国も疑念を抱くほどに制圧が遅れてしまった。
そこで最後にアクドスはグレートワルズを送り、息子の地球制圧に力を貸したわけですね。
ワルズが地球制圧後に部下から後ろ指を指されないため、「自分の力で制圧した」という最終ラインがグレートワルズという兵器だったのではないかと思います。
今思えば、アクドス・ギルはかなり息子想いの父親だったのかも…
そしてワルズが倒れ、アクドスは地球へと向かった…と考えると、実に納得のいく状況だったなと思いました。
本国の戦力をさっさと投入すればよかったのに、という一般論は当然あると思うのですが、
ドラ息子の花道を作るためそうすることができなかった、と考えると腑に落ちるよう作っているのは素晴らしい。
本国の戦力で地球制圧をしていたら、それこそワルズは親父の足元にも及ばないドラ息子呼ばわりのままだったんじゃないですかねえ。まあ死んじゃったら意味ないんだけどさ。

・ラストのトドメ
アクドス・ギルに止めを刺す最後のシーン、中心だったのは鎧でした。
ラストを飾るのがレッドじゃないっていうのは、やはり新鮮です。
ゴーカイの場合は途中から「地球を守る」「ザンギャックを倒す」っていう、新しい夢が鎧のおかげで加わったわけで、このシーンで叶うのはその夢なんですよね。
だから鎧が中心なわけです。
そのまえに戦艦に乗り込むときもマーベラスの相棒はジョーじゃなくて鎧。
これはジョーが明言していますが、鎧の夢をかなえるための人選でした。
最終話というのは、アクドス・ギルを倒してザンギャック滅亡の引き金を引くと同時に、鎧の夢を叶える瞬間でもあったというわけです。
すでに「宇宙位置のお宝」の夢を(叶わなかったとはいえ)手にした5人とは別に、6人目の夢をかなえるシーンまで用意されているとは、なんと心憎い演出でしょうか。
そして6人の夢は相応の結末を迎え、ラストシーンで6人全員が一つの夢に向かって進んでいく…というところで終わる。
これ以上ないラストでした。

・35番目の戦隊
某893が「宇宙最大のお宝が仲間たちとの絆なんてもんだったら許さんからな」っていった話、好きw
それを本編でやっちゃうと、確かに最後だけ妙に安っぽくなっちゃいそうだもんな。
ゴーカイは最後まで王道を貫きながらも、安易な根性論に頼らなかった部分が本当にすごかったです。
説得力が違うね、説得力が。
宇宙最大のお宝に対しても、それまでの過去を思い返して、悩んで、その力を使わないことを決めたシーンは、涙なくしては見られませんでした。
鎧が宇宙最大のお宝を破壊した時、それが海賊戦隊ゴーカイジャーの新しい船出だったのかもしれません。

宇宙を旅する星を追われた若き海賊たち。
宇宙最大のお宝は「宇宙を思いのままに作り替えることができる力」でしたが、彼らは自分たちで歴史を作り続けることを選びました。
彼らが手にした本当の宇宙最大のお宝は、どんな逆境にも負けない強い心と、強い絆で結ばれた仲間たち、そして地球を守った34組のヒーローたちから受け継いだ35番目の称号だったのではないでしょうか。


スーパー戦隊の歴史と、ゴーカイジャーの歴史。
どちらも余すところなく楽しませてくれたゴーカイジャーは、非常に満足度の高い作品でした。
言いたいことがありすぎる、けどうまく言えないというもどかしさもありつつ、これにてとりあえずの感想は終わりといたします。

いずれ出会える新たな戦隊を目指して…ド派手に行くぜ!



・オマケ
ゴーバスvsゴーカイはいろんな意味で複雑な心境になる部分がある気がするけど、まぁそれはな!的な。
EDのほんわか感のために見る映画だから!!(嫌いじゃないけどw)





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