ありがとうルパンレンジャー。
ありがとうパトレンジャー。

心を揺さぶられた最高の一年間でした。
これで彼らの物語は一旦おしまいですが、きっと、また逢えるよね!

<続く>

感動冷めやらぬ感があって相変わらずカオスってる感想ですがどうぞ。
また細かい点は別記事にて追記します。

・コレクション回収方法
まさかまさかのコレクション本wwwその発想はなかった(というか常備してる魁利にちょっと引くw)
一体どこに隠していたのか?という素朴な疑問は無粋である。だってVSチェンジャーだって明らかに隠しどころないとこから出してるし…きっとあの本も普段は小さくなってるか衣装に四次元ポケットがあるに違いないんだ(戦隊&ライダーあるある)
そういう点ではいつも携帯してるのがわかる警察は珍しいパターンなのかも?まぁあえて見せることで犯罪抑制効果を狙ってると思うんだけどね。
それはともかく、魁利たちが半ば自分たちの死を確信してるのにさわやかな雰囲気なのは何とも切なかったですね。
色んな感情が渦巻いてるんだと思いますが、大切な人を救えたことはもちろん、最後に彼ら自身を理解してくれた警察に後を託したという安心感のようなものが、魁利たちの心境を透き通らせているのかなと思いました。
にしても、どうやって倒すのか?と疑問だったドグラニオを「中からコレクションを奪って弱体化させる」という斜め上の発想で解決したのは凄かった。そんなんできひんやん普通!
コレクション本は次元も超える凄いコレクションでしたね。惜しむらくは本に掲載されていないものは転送できないことぐらいかな。
こうやって事前に散りばめていたネタが活きる展開はやっぱいいですね。多少の無理はあろうが、奇跡だ根性だのその場限りの勢いでごまかすんじゃなくて、ちゃんと積み上げてきたものが活きることが考えてる感があって好きです。
(根性論も奇跡も流れさえ良ければ全く問題ないけどな!!)

・スーパーパトレン1号
あああああああ現実にいいいいいい!!!グレートたぜ。
素面名乗り超カッコ良かった~~~~って感動してたらこれですよ。
なんだかんだ紆余曲折あったけど、一番印象に残るところで印象深い変身になったな。これでサイレンストライカーのアマゾンレビューも星が上がるであろう…
これまで延々と違和感に耐えてきた視聴者の気持ちをも晴らすスーパーな一撃でした。
ちゃんとあの肩の持ち手も活かされた!言うことねぇな!!!
スーパーパトレンXもカッコ良かったよ!!!
最後の最後でどうしてもやるべきだったことをちゃんとやり切った制作陣には頭が上がりません。
ありがとう…本当にありがとう…!

・誰にも等しくやってくるもの
コレクションを奪われたドグラニオの弱体化がまざまざと感じられるのがつらい。
老いは誰しにも等しくやってくる…なんだっけ、アルカディアにも我あり的な(そっちは死だけど)
ギャングラーとはいえ、永遠ではありえないというのが何とも皮肉ですね。
一時はほんの少しの力で圧倒していたはずのパトレンたちに圧される親分には老いと孤独を感じ、親分を圧倒するパトレンたちには成長と絆を感じるという対比も良かったです。強くなったね。
正直、親分はこれを直感してたからこそトップの座を誰かに譲ろうとしてたはずなのに、劣勢になるにつれ、いつの間にか忘れてしまっていたのかもしれないな…
敗因が「老い」っていうの斬新なんだけど、よくよく考えれば昔から特撮で良く扱われてる不老不死(願望含む)に回帰したようなもんじゃないかなと。
ギャングラーは長命だからこそ永遠に続くような退屈に倦んでいたにもかかわらず、実際は永遠は永遠じゃなかったという残酷さ。
自分の限界を感じたところでチートアイテムを使って無双しても、チートが無ければやっぱりしょぼくれてしまうところは、なんというか非常にリアリティがありました。
ある意味、時間というものは誰でも同じように進んでいるわけではないと感じますね。ドグラニオが置いている間、圭一郎や魁利たちは成長していたわけですから。

・警察としての覚悟
とうとう膝をついたドグラニオに銃口を向ける圭一郎。
走馬灯のように魁利たちとの思い出が駆け抜けるシーンは、これまでの彼らとの思い出を「警察として平和のために」断ち切らねばならないという事実に向き合ってるってことでもあるんでしょうか。
ここでの咲也、つかさ、そしてノエルは、3人の快盗たちの友人である前に、警察として今何を為すべきかというのを理解しているからこそ圭一郎を止められないんですよね。
ヒルトップ管理官の言うように、平和のためなら犠牲を払ってでもドグラニオを倒すべきだったと思います。
だからこそ圭一郎は3人の友人を失う覚悟でドグラニオに銃口を向けた。それでも迷う圭一郎の背中を押したのは、圭一郎に「正義の警察官であってほしい」と願った魁利その人だったというのが何とも切ない。
この1年、それよりもっと前から平和のために命を懸けてきた圭一郎にとって、ドグラニオを倒さないという選択肢はなかったはず。
でも、そんな圭一郎が土壇場で手心を加えたのは、平和を守るのは一体だれのためなのかということが脳裏をかすめたからだったんでしょうか。
圭一郎が守りたい平和な世界には、魁利も、透真も、初美花も、きっと居るはずなんですよね。
どんなに魁利に背中を押されても、命令に反しても、本当に正しい警察官として為したことが「ドグラニオの確保」だったというのが、一年かけて描いてきた圭一郎の正義の集大成であったのではないかと思います。
誰かの犠牲の上に立つ平和ではなく、できる限り誰も傷つかず平和に暮らせる世界。理想論でも、圭一郎はそれを望んだんじゃないでしょうか。

・何よりも残酷な刑
親分、生かさず殺さず監禁。しかもあれだけ「俺にも切れない」と豪語していた鎖が彼自身を束縛するためのものだったたァとんでもねぇデザインだぜ。神ってる~!
「なるほどそのために切れないのか!!」と感心しました。あの楔もそのためか~。
これは最初から最後の構想が無いとできない代物だし、こういう難しい作品だからこそ徹底して練りこんでいたんだろうなと感じさせます。
こうやって監禁されて老いさらばえて死ぬのは、親分自身のプライドをひどく傷つけ、尊厳のない死を与えられたようなもの。
多くの命を踏みにじってきた悪党には格好いい最期など迎えさせないという、宇都宮&香村ペアの尋常じゃない熱意を感じますね…今思えばジュウオウのジニス様も「あんな堂々としてたのに正体これかよ」っていうある種のがっかり感は、悪党を格好よく描く?そんな最期に美味しい思いさせてたまるかよ的な意味合いだったのかもしれないなと。
井上敏樹が描く悪の美学も好きだけど、こういう徹底した悪への拒絶も素晴らしいですよね。

・大切な人のために
こんなん泣くやろ??????2回見て2回泣いたわ。多分何回でも泣くわ。
金庫からやっと出てきた快盗たちの前に、大切な人たち3人が現れたシーンは思わず涙してしまいました。
彼らを救うために奔走した魁利、透真、初美花が、本当の意味で報われた瞬間でしたね。
あの3人が現れた時、ピンときてない初美花と不審げな魁利に対して、もう気づいちゃってる透真が印象深かったです。愛だねぇ。
素直に喜ぶ初美花としほちんに対し、何も言わない、というか言えない透真と綾さんのもグッと来たわ。
そして「ごめん」と一言しか言えない魁利と、それを受け止める兄の大きさよ…
そりゃこんな3人なら、命を懸けて救いたいと思うよねっていうシーンでしたね。
さりげなくマスクが捨てられているシーンも良かったです。
魁利と勝利は「快盗であることを捨てるために」あの場所にマスクを捨て、透真と綾は「快盗であることを二人の思い出とするために」写真共に飾り、初美花と志穂は「快盗であることを二人の秘密にするために」これから漫画で語られるであろう快盗たちの物語を見守るあの場所に置いた、と考えると感慨深い。
3組がこれから快盗である過去に向き合う方法は様々でしょうが、3組ともそれぞれの形でケリをつけてるんですね…
しかしあの3人がアナザー快盗って早速言われてるのは草。おのれジオウみが深いw
魁利の泣き顔がもう…この一年、いや快盗たちにとっては3年の苦労が報われた瞬間で、これ以上ないハッピーエンドだったのはとても良かったです。

冒頭のシーンでグッディが出てきたとき、「あっそういえばジャックポットストライカーという奴がおったな?」とふと気づいてしまい、快盗が救われるとしたらそれしかないなと思いながら見ていたのですが、あっという間に金庫が開かないまま1年経ってしまってどうなることかと思っていました。
そして彼らを救い出したのが、「どこからともなく現れたJPストライカー」なのではなく、「彼らが救った大事な人々が、快盗たちを救うために探し当てたJPストライカー」だったのはもう泣くしかないよね。
快盗たちの詳細(コレクション本とかもろもろ)を知らない以上、警察にはドグラニオを監禁し続けるしか彼らを救う方法が無かったので、そこを搦め手で解決するあたりは快盗と警察、二つの組織があったからこそできたことだなぁという気がします。
警察はギャングラーの残党狩り、アナザー快盗はJPストライカー回収という、ドグラニオを捕獲した後も本編同様に快盗と警察の二つの組織で動いていたのも面白いところでした。
しかしまさかここで映画の伏線回収してくるとか…正直言うと、映画は有料だからあんまり映画の話を作中に入れこまない方がいいと思ってるんだけど、でもこういう感動は、逆にお金を払ってわざわざ見てくれた人たちへのサービスなんだなという気もしましたね。映画を作中に全く絡ませないのも制作側の配慮であれば、映画を作中に絡ませるのもまた、制作側の粋な配慮なわけですね。
最近は後者の傾向が高いので、これからも映画は見に行こう…と改めて感じましたw

・最高のVS
「なんでまだ快盗をやっているんだ」からの「おのれ快盗!」「あんたのお宝いただくぜ」の流れ最高かな?
しかもまさかのOP回収wこれは神が勝ってる演出ですわ…脱帽…
最後の最後まで「VS」を貫くこの姿勢。見習いたい。
快盗、警察、決して相いれない二つの立場をなし崩しにせずに尊重し続けた。それが凄かったと思う。
職業を持ちながら職業をないがしろにしたり、違法行為をしたのに因果応報が無かったりっていうストレスが無かったのもすごく大きかったなっていう。
風呂敷も大きいようで小さくたたみ、コンパクトにまとめ切りつつその後を感じさせる発展性を持たせた点では非常に良かったです。
これまで宇都宮Pの作品を見てきて、ものすごく練り上げた作品を作る人だなと思ってたんですよね。それに加えてメインライターの香村さんの脚本が、ち密で繊細かつ大胆で、宇都宮Pとの相性が抜群に良いなと思っていました。
凄く物語の完成度と物語にかける美学の強い二人だなと思っていたのですが、ここにきてそれが完成されたといっていいのかなという気がしましたね。
なんかもう色々あって「ヒーローものって限界が来てんのかな(主にライダー方面)」って思ってた時期もあったんですけど、何というか戦隊なんだけどもっと違う可能性を感じさせてくれたという点で、私にとっては救世主でした。
これはもちろんキュウレンにも言えるんだけど、この挑戦による可能性が私のファン寿命を延長してくれたなっていう感じでしたね。
まだまだヒーローものは可能性に満ち溢れてる。きっと。
だからそういう点でも凄く感謝してるんだ、この作品には。


最高の最後でした。
いや、ほんとはもっと知りたいところとか描いてほしいものとかもたくさんあるんだけど、快盗と警察の物語としてはすごくきれいに終わったんじゃないかなって思います。
この一年、考察もろくすっぽせずに感想を書いてた気がしますが、すごく楽しかったなというのは記憶に残っています。
もっともっと細かいところまで突っ込みたかったけど、文字数と表現力が足りないw
練りこまれた作品をなぞりながら完成度の高さに感心し、理論的な展開を見せながらも感情をしっかり伝えるセリフと演技の数々に毎回楽しませていただきました。
そしてどうなるかわからないハラハラ感を与えてくれてありがとう。
そして珍しく最大級に推せるキャラが存在したことは奇跡でした。圭ちゃんを胸に、俺も頑張って生きていくよ。

すごく楽しい一年でした。
まだ描き足りないところはまた次回。
とりあえず、ほんとにありがとうございました!!!


<おまけ>
・映像販売
公演では「侍」越え?!映像では「海賊」の背中が見える…らしい販売実績のルパパト。
どっちも宇都宮Pの作品でセルフ記録更新狙ってるの面白くない?
玩具は様々な要因があって不振もあったようですが、こういう点で見ると支持は強かったんじゃないかなと思いますね(これは主に大友の支持なんだろうけど)
子供には少し難解な展開もあったり、どうしても警察と快盗で人気に差が出たりっていうのはあったかもしれないけど、きちんと子供向けであることを忘れずに大人でも視聴できるクオリティを保ってたのは本当にすごかった。
決して安易に子供だましと大人への媚びに走らなかったのが、こういうところで結果として出てそうな気もします。バン〇イにもしっかし抵抗したし。

・唐突に仮面ライダーキカイ
キカイダーから転生したらギャングラーで、ギャングラーから転生したら仮面ライダーキカイになっていた男、入江甚儀www
忙しすぎて笑ってしまうwwwクッソwww
ルパパト最終回にこれが発表されたの、狙ってるのか狙ってないのか、いい意味で話題沸騰なのは笑いました。上手いなあ白倉さんw

・OP回収
Twitterでも書いたのですが、OPの「ヤツらにアデュー」と対になる「サヨナラは言わない」という歌詞に感じていた違和感がこの最終回を見て解消しました。
まぁ単に追っかけまわしてるから「サヨナラは言わない」なんですけど、最終回前に覚悟を決めて警察に別れを告げた快盗と、快盗たちの命を諦めることなく繋いだ警察のポジションそのものだなぁと思って感心しました。
警察は快盗たちが覚悟した後も、諦めずにサヨナラを言わなかったんですもんね。
後付けですが、今思えば感慨深い歌詞だなぁと感じます。
藤林聖子はやっぱり予言者なんだ…!!

・おやぶんワールド
一年間どうやって生活してたんだろう快盗たち…と思ったのですが、金庫の中が外と同じ時間の流れかもわかりませんし、少なくとも観覧車があるぐらいにホスピタリティが行き届いている(?)ので、意外と快適だったんでしょうか?
透真さんならそこらへんの草でも料理できそうだし…(そもそも調理機器がここにあるかは知らんが)
しかし透真が髪を切っていた時のケープはマジレンジャーだったの…?
一体どこからそれを…?!w