杉村脚本の時の忍法は割とマトモである。
縄抜け!忍者っぽい!(忍者だよ)

予告の妖怪乳母車のパンチは作中でもトップクラスだと思いますw

<続く>

・第9話
ジライヤ主役回。ともかくジライヤの生身アクションを見てくれ!という圧が強いw
展開が死ぬほど早くて驚くのと、この当時のテレビ、このぐらいなんでもありだったな感を感じる。長いアナログアンテナで受信する「中古のテレビ」という設定とか、ちょこちょこ出てくるアナログテレビのデザインの多様性が楽しい。
でも一方でドロタボウの生活環境や承認欲求についてもちょっと考えさせられる回でもあった。
一人孤独な部屋で、周囲の人間に迷惑を巻き散らかしながら虚構にかじりつき、やがて現実と虚構がわからなくなる…というのは、妖怪も人間もあまり変わらないのかもしれない。そう考えると妖怪って人間臭いですよね。なんか当時もそういうところが好きでした。
今回地味にレジェンドゲスト回でしたね。番組の武士がチェンジペガサスでリポーターがホワイトスワンw
あのリポーターは普通?に妖怪を中継してましたが、この世界での妖怪の立ち位置どないなっとんねんと思いつつ。でも意外とそういう奴いる程度の認識なのかもしれん(被害は結構あるのに…)
ドロタボウの泥団子はぶつけられると体調不良を起こすという効果があったんでしょうか?イマイチその辺りは不明でしたね。
ドロタボウのデザインは、当時も今見ても「白菜だろ…」と思ってますw
面白かったのはドロタボウに襲われた父親の息子が「クイズに勝って父親に海外旅行をさせてあげたかった」というのが差し込まれてるところ。
この子供と絡む流れが杉村脚本っぽい…そしてその後何の前振りもなくテレビに出てるうえにほぼ勝ち確のジライヤと少年は草w展開が早すぎんだろwww
多分この尺要らなかった気がするんですけど、これがあるのが杉村脚本という気がしました。
その後も怒涛の対決で電流爆破デスマッチ空手&刀剣&ボクシングという、もう無茶苦茶だよ!と言わんばかりのアクション祭りで楽しかった。当時からムキムキのケイン。仕上がっている。
あとジライヤが割とセリフをしゃべってて、2ヶ月ぐらいで大分成長した感じがしましたね。多分ケイン本人はまだ日本語をしゃべれるというレベルではないと思うのですが、この片言の感じもよく覚えています。
にしても、ジライヤが夢中になるとテレビの中の人になり切る憑依型だったのは割と意外だった。日本語がしゃべれる外国人の中にはテレビ番組で学んだっていう人がいるけど、こんな感じで見てるのかなぁ?
あと、レポーターの衣装の肩パッドの大きさに時代を感じました。肩いかついw
劇伴もちょっと当時のジュリアナ東京等で流行ったディスコミュージック感があるんですよね。
この当時はもうバブルも終盤とはいえ、その辺りに影響を色濃く感じます。
あとここで有名になった?っぽいカクレンジャーですが、次回にはほぼ無かったことになってるのも当時の戦隊あるあるな感じがしますね。

・第10話
妖怪乳母車のパンチやば!!!という回。サスケ受難回?
この回はコナキジジイのやってることが大分ホラーではあるけども、妖怪の孤独、家族への憧れっていうのがちょっと切ない回でもある。
やり方が間違ってるだけで、ファミリーに憧れる気持ちはちょっと理解できるかな…前回が孤独で狂った感のあるキャラでしたからね。
コナキジジイのデザインが赤ちゃんをあやす起き上がり人形なのもまた切ないポイント。
しかし人形が出る回はトラウマ率高い説は妥当だと思う…今回の急に「殺せ!殺せ!」って騒ぎ出す人形の恐ろしさよ。操演さんの演技力が光る。
あれは魂が入っているけど、動かす動力として使っているだけで、考え方はコナキジジイが操ってる自我のない動く人形って感じだったのかな?
猫の人形にも魂が入ってるのなんかこわかったな…
あと普通に乳母車の赤ちゃんをのぞき込む→首を絞められるという演出も怖い。
しかし、病院の先生が「魂が抜かれてるとしか思えない」っていってましたが、これぞ医学の敗北感がありましたw
魂が抜かれてる状態って何?!植物状態とかじゃなくて?!
ただ、意識混濁・衰弱という状況を「魂が抜かれている」と説明するのはナンセンスなようでいてシンプルに解りやすかったので、医学云々以前に解りやすさを優先した結果なのかなと思ったり。
あといいと思った演出は、母親が倒れて鶴姫に助けを求める女の子のシーン。鶴姫が「○○ちゃん」と女の子の名前を呼ぶことによって、「この二人は知り合いである」という宇宙刑事のナレーション張りに説明を省けるという荒業で良かった。平成後期から割とすたれた手法ですが、先日ドンブラザーズで似たことをやっていたので、現代でも通じる説明手法だなと感じます。
妖怪乳母車はうん…まぁ…(目を逸らす)
鼻水が描かれているところが謎に細かいw
赤ちゃん役を決める時の忍法じゃんけんほんますこ。このアホっぽさと仲の良さが好きだったなぁ。滅茶苦茶楽しそうで。
にしても、あれではコナキジジイを誘い出す前に警察に連行されそうで心配でした。
周囲で見守ってたメンバーが結局捲かれて、サスケが縄抜けで事なきを得るという展開でしたが、結構カクレンメンバーって妖怪に裏をかかれてますよね。そのぐらい妖怪もやり手ということかもしれません。
結局誤った方法で家族を作ろうとしたコナキジジイは倒されてしまいましたが、散乱する人形たちにそこはかとない悲哀を感じるラストだったのは、「妖怪」という存在そのものの物悲しさを表していたように思います。


1話目のカッパとロクロクビは子供まで作っていたというのに、ちゃんと自営業でマトモに仕事してるコナキジジイが独身なのは納得がいかない…何故なんだ…
(というか門の封印が解けてから妖怪が馴染むの早すぎ問題。人間に背乗りとかしてるかもしれないけど)
でもこればっかりは運ですしね。ある意味「孤独」な妖怪二連発でした。
人も孤独を味わいすぎると、妖怪になってしまうのかもしれない…